グッドトイレ選奨2020ノミネート作品

今年のグッドトイレ選奨は、新型コロナ感染防止の観点からオンライン投票により選定させて頂きます。

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※Webによる一般審査と、トイレ協会運営委員による審査の結果から総合的に判断します。
投票数の多さでは決まらないことをご了承下さい。

ノミネート作品一括PDFデータはこちら(15.3MB)

NO タイトル 応募者 概要
電気と水道が不要で排水が出ないロハスのフラワートイレ 中野和典、橋本純
(日本大学工学部)
ロハスのフラワートイレは、水洗トイレの洗浄水を再生する浄化ユニットを備えた自立型トイレである。浄化に必要なエネルギーは水を汲み上げる動力のみであり、再生可能エネルギーや人力での駆動が可能である。これにより上下水道と電気に依存しない、持続可能で快適な水洗トイレを提供することができる。洗浄水を再生利用することで排水が生じないため、処理水の放流が困難な場所での利用が可能となる。さらに、浄化ユニットに観葉植物を植栽することで、浄化ユニットは花壇となる。この花壇は、洗浄水に含まれる肥効成分を肥料として有効活用する資源循環型の花壇となり、トイレ使用者に癒しを与えてくれる。ロハスとは「健康で持続可能な生活様式」のことである。環境に負荷を与えず、ヒトを癒す花壇を備え、持続可能な水洗トイレを提供するロハスのフラワートイレにより、インフラや場所に依存する水洗トイレの問題を解消するとともに、ロハスの考えを広めて行きたい。
2 パブリックトイレの新しい提案「オルタナティブ・トイレ」 石原雄太、中村治之、伊藤愛(LIXIL)
デザインアーキテクト 永山祐子建築設計
多様性により、トイレにおいてもオールジェンダー(性別不問)に向けて男女共用にしていこうという議論もある一方で、通り一遍の男女共用トイレが実は誰にとっても違和感がなく居心地良く使えるトイレになっていない可能性があります。その問題に丁寧に答えるべく、みんなに開かれた選択性のあるトイレを考え、LIXILの新社屋HOSHI棟に計画し、2019年10月に完成しました。トイレの入り口にある空室表示モニターに、「自分にあった個室をお選びください。」とメッセージを記載しました。多くの人は、トイレに入る前に立ち止まることなく、何の迷いもなく、男性用か女性用のトイレに入るのではないでしょうか。しかし、トイレに入る度に迷い、立ち止まり、場合によっては入ることを諦める人がいます。このオルタナティブ・トイレは、インクルーシブを必要とする場所に、インクルーシブなトイレ環境を目指した結果の、ひとつのアイデアです。
3 避難所でも トイレを我慢させないトイレ ~誰もが安心して利用できるトイレコンテナ (WALET-TC20BF)の開発~ 遠藤静也(ウォレットジャパン) ウォレットジャパンは災害で被災された地域にトイレコンテナでの支援を行っています。避難所では5K(汚い・臭い・暗い・怖い・壊れている)のトイレを利用することが嫌で、飲食を控えることがエコノミークラス症候群の一因となり死亡する災害関連死が問題となっています。綺麗なトイレは人の命と尊厳を守るために無くてはならないものです。しかし、これまで製作してきたトイレコンテナは 足腰の弱い方や車椅子を使用されている方、オストメイトの方 にとっては段差やレイアウト、設備の問題から利用が難しいものでした。今回、車椅子を使用されている方やオストメイトの方も快適にトイレコンテナを利用することができるようにするため、コンテナトイレとしては初となる電動昇降機やオストメイト対応温水洗浄器を設置しました。もちろん洋式便器に温水洗浄便座を標準としています。上下水道や電気などのライフラインを必要とせず、コンテナ規格を活かした迅速な運搬、簡単に設置が可能な「避難所でもトイレを我慢させないで誰もが安心して利用できるトイレコンテナ」となりました。
4 観光地長崎。みんなの想いで光の灯る「天主公園公衆便所」 竹中晴美(「みんなにやさしいトイレ会議」実行委員会)
長崎市中央総合事務所地域整備1課・建築課・設備課
観光地長崎。みんなの想いで光の灯る「天主公園公衆便所」。使用者の視点で「みんなにやさしい使い勝手」の公衆トイレに取り組んで11年目。
問題点:浦上天主堂近くの「天主公園公衆便所」は、築20年余、老朽化、汚れ、臭いもひどく、夜間ほとんど人が通らない環境は、防犯上かなり問題。1階は公園内、2階は道路沿いという変則的な2階建て(中は繋がっていない)道路沿いの2階多目的(男女共用)は、イタズラがひどく、ベビーベッドが壊れた状態。防犯ブザーもない。子供たちが遊ぶ公園であり観光地でありながら、防犯の面でも危険であり、できれば使いたくないトイレ。
改修目的:原爆の爆風にも耐えたアンジェラスの鐘が今も時を告げる「浦上天主堂」は、観光客の方々も多く訪れる名所のひとつ。今回は、ワークショップから始まり、地元のみなさんの想いを灯す「光の灯る天主公園」をテーマに完成。行政と手を組んだ改修として11ヵ所目。さり気なくやさしい使い勝手が隅々に生かされ、パステルトーンのやさしい色使い、夜間でもやさしい照明が灯る自慢の公衆便所となりました。
5 ダイヤゲート池袋 DaiyaGate Ikebukuro Bright space with Prime view 西武鉄道、西武プロパティーズ、日建設計 説明動画をご覧ください
6 「また訪れたくなるようなワクワクする公衆トイレ」日本のキレイ&TOKYO リンレイトイレ 岩田知佳(リンレイ) 新宿中央公園「日本のキレイ&TOKYO リンレイトイレ」は株式会社リンレイと多摩美術大学が共同し、日本のキレイをテーマにトイレの外装・内装をRe:デザインしたトイレです。「また訪れたくなるような、ワクワクするトイレ」を目指し、デザイン面・衛生面の両面から美観を保つことに努めております。更にデザイン面や衛生面だけでは無くキレイの豆知識を知ることができるボードの設置やトイレを利用するだけでリンレイ製品が当たるキャンペーンを開催しました。
利用者の方からは 「公園のトイレは臭くて汚くて暗くて怖いというイメージがありましたが、変わりました。」「デザインのおかげで一般的な公衆トイレより入る抵抗感が少ない。」「公衆トイレのネガティブなイメージがなくなると共に、無意識に汚さなくなる。」といった声を多数いただいており、我々が目標としていた「また訪れたくなるようなワクワクするトイレ」にすることができたと実感しております。
7 順番待ちのストレスを緩和するIoTテクノロジー 北井彩瑛(シブタニ 説明動画をご覧ください
8 10年間にわたる トイレ診断の活用について ~北陸自動車道(NEXCO中日本 金沢支社)の取り組み~ 中村純(中日本高速道路株式会社 金沢支社) NEXCO中日本金沢支社では、トイレ診断士による“トイレ診断”を10年前から毎年実施し、毎日の清掃作業の問題点を明らかにし、休憩施設をご利用されるお客さまがより快適に過ごせるよう清掃技術の向上に取り組んでおります。
以前、高速道路休憩施設トイレのお客さまからの評判は、あまり良い物ではありませんでした。実際にトイレ診断を開始した2011年においては、問題点を30項目指摘されております。
しかし、毎年継続的にトイレ診断を行うことにより、エリアキャストの皆さんの意識も変わり、清掃技術も大幅に向上いたしました。その結果、問題点は年々減少し、今年2020年は5項目の指摘にとどまりました。また、お客さまからのご意見では2013年に初めて、お褒めの言葉がお叱りやご要望を上回り、その後もお褒めの言葉は増え続けております。
トイレだって“旅の一部”という認識のもと、おもてなしの心でお客さまをお迎えするため、引き続き毎日の清掃に取り組んでまいります。
9 「トイレぼうさいキッズ」~小学生向け災害時トイレの教育オンライン授業~ 金子未波(無臭元工業) 身近なトイレに関して、「トイレで流れたものってどうなるの?」「トイレの水はどうやってきれいになるの?」という疑問を抱えたことはないですか?
災害が頻発し、環境問題が注目されるようになってきています。この機会にトイレについて知ることで、何かが見えてくるかもしれません。
実験を通して普段と災害時の二軸でトイレについて考え、災害時のトイレ事情から自助できる知恵を身に着けてもらうため、理科実験教室「トイレぼうさいキッズ」を今回コロナ禍休校中でも楽しく学べるようオンラインで開催しました。
最後に:いつでも、どこでも、誰でも安心してトイレができる環境——
「安心トイレ」を目指すため、弊社は弛まぬ努力と挑戦を続けます。
10 高速道路休憩施設トイレを賢く使う取組について 今井詩織(中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京)
嶋浦早紀、山本浩司、伊藤佑治(中日本高速道路)
NEXCO中日本東京支社では、 高速道路の休憩施設に、「多機能トイレ」、「ファミリートイレ」、及び男女トイレ内に「大型ブース」、及び「一般ブース」等を設置し、国土交通省提言を踏まえた機能分散を図っている。
しかし、近年、多機能トイレ等において、高齢者や子ども連れなどによる利用が集中し、障がい者が使いにくくなっているという指摘が寄せられている。
このような背景を踏まえ、NEXCO中日本東京支社では、高速道路休憩施設のトイレを賢く使う取組として、障がい者、子ども連れ等の利用分散を図るべく、E1東名高速道路 海老名SAに多機能トイレの追加、及び一般ブースへの車いす使用者用簡易型機能の試行導入を実施した。
11 トイレ内部の3次元プラットフォームの整備と維持管理への活用 
-i-MOVEMENTプロジェクトの取り組み-
伊藤佑治、吉谷直人、荒木華子、馬屋原敦、山本浩司(中日本高速道路) NEXCO中日本では、最先端のICT技術・ロボティクス技術の導入などにより、当社グループを取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化に貢献する革新的なプロジェクト「i-MOVEMENT(アイムーブメント)」を推進しています。
プロジェクトの一環として、54棟のトイレを対象に、WEB閲覧が可能なストリートビュー方式の3次元プラットフォームを約1年間で整備して維持管理での活用を開始しました。
その結果、WEB上で、①誘導計画上重要なトイレのピクトイサインの動線上の見え方などの状況を連続的した空間として視覚的に確認可能、②衛生器具の取り付け方法などの細部を視覚的に確認可能、③数多くの機器の点検結果等の一元管理が可能、④トイレ工事中の寸法検査に活用することで工事管理の高度化が可能、などの各種導入効果を確認することができ、トイレを対象とした高速道路保全マネジメントの高度化を実現したので報告します。
12 安全性向上のためのトイレ内部の天井材の検討 荒木華子、山本浩司、馬屋原敦、竹澤弘平、伊藤佑治(中日本高速道路 東京支社) NEXCO中日本東京支社では、トイレ内部における安全性向上のための仕様策定を目標として、天井材に、膜天井、超軽量天井材、アルミスパンドレルなどを選定し、複数のトイレ棟にて施工を完了させた。
これまでの休憩施設のトイレの天井は、従前のNXCO中日本設計要領に記載されていた「岩綿吸音板又は繊維強化セメント板」で整備されていた。
しかし、雨漏りや結露等により天井が腐食し、落下する危険性があるため、現状の設計要領は「金属内装材(アルミ系)」に見直されている。
今回の取り組みにより、天井材の腐食による落下するリスクがゼロになった。また膜天井によりトイレ上部空間デザインの自由度が向上するとともに、万が一の雨漏れ等でも天井材が腐食することなく、検知することが可能となった。
13 淀屋橋駅 -Yodoyabashi2020- 京阪電気鉄道 京阪電鉄では、2015年よりCS向上施策の一環としてトイレリニューアルに取り組んでおり、2020年度に実施した淀屋橋駅トイレリニューアルについてご紹介する。
淀屋橋駅は、京阪本線の大阪方終端に位置する地下駅であり、約93,000人/日のお客さまにご利用いただいている。従前のトイレは築28年が経過し老朽化が進んでいたほか、入口手前に段差がありバリアフリー化されていないなどの課題があったが、トイレを含むビルが建替えとなるのを機に、他の隣接ビルに移転させ課題解決を図ることとした。
リニューアルにあたっては、駅周辺の歴史的建造物が多く残る点やオフィス街であるという特徴を考慮し、「上質感と普遍性」をコンセプトに定めた。
トイレの特徴としては、高さ3m以上の天井をルーバーによる間接照明で照らす計画とし、空間に奥行き感を演出したほか、壁面仕上げの一部に大型鏡を採用し、空間に広がりが感じられるような仕掛けを施した。
14  平成30年度区立板橋第十小学校改築工事 板橋区 板橋区 ①学校トイレの役割とローコスト
学校のトイレは、楽しく快適な場所として求められているが、予算は限られている。そこで、経年劣化を考慮し、床材に長尺シート、壁材に比較的安価で耐久性や耐汚染性のある化粧ケイカル板を選定した。
②学校トイレにおける平面計画
トイレを水場の交流点と名付け、① 広さ、換気、明るさ、様式化等の充実、② 自然採光の確保や窓を大きくとること、③トイレと一体に手洗いや水飲み場といった、こども同士がコミュニケショーンのとれる場所を設置することに留意した。
③板橋区立第十小学校のトイレ空間の色彩計画
「児童の成長・色とりどりの変化」をコンセプトとして、児童が心身共に成長していく過程とそれぞれの色彩がもつ色の意味をリンクさせた色彩計画とした。各学年のトイレは、3色の色によって構成され、それらは、アクセントカラーを主体とした色の構成を行い、トイレに豊かで深みのある空間を生みだす。
15 衛生器具の適正数に関する研究 ~データから見る占有時間増加の要因から 高橋未樹子(コマニー)
疋田篤史(ベクトル総研)
最近、トイレが混むと感じたことはありませんか?女性トイレは以前から並ぶことがありましたが、最近は男性トイレのブースでも、特に駅やオフィスで並ぶと耳にすることが増えてきました。3Kと言われていた公共トイレが、便器が洋式になり、着替えスペースやパウダーコーナーが設置されるなど、用を足すだけの場所から気分を変える快適な空間に変わってきています。それに伴いトイレの利用スタイルが変化し、ブースに入っている時間(占有時間)も長くなっていると言われています。
現在のブース数算定基準(SHASE-S206-2009 給排水衛生設備規準・同解説)は昭和の和便器時代に作られたものです。そこで、この算定基準の見直しを検討するために、駅や空港、オフィス、大学の6ヶ所のトイレブースにセンサーを設置してブース占有時間を測定し、ブース占有時間が長くなっている要因を明らかにしました。
16 高速道路休憩施設トイレにおけるリアルタイムな「気づき(兆し)情報」について 高梨政義、岡瞳、渡邊三津子(中日本ハイウェイ・メンテナンス東名) 中日本ハイウェイ・メンテナンス東名㈱では、清潔で匂わないトイレを目標に、日本の大動脈である東名、新東名、圏央道等に設置された高速道路休憩施設の清掃に日々取り組んでいます。
また、トイレをお客様さまに気持ちよく利用していただくために、これらのトイレが故障した場合、トイレを管理する中日本高速道路㈱に連絡し、補修していただいています。しかし、トイレの故障等は、中日本高速道路㈱等が実施する通常点検だけでは予防保全が困難な状況となっており、補修が完了するまでの間、一部のお客さまにはご迷惑をおかけする場合がありました。
このような状況を改善するため、弊社では、現場からリアルタイムな「気づき(兆し)情報」を連絡する体制を構築し、故障等の早期補修に寄与しています。