書籍

トイレ学大事典

〈概要〉
2015年9月5日 第一版発行
編者:日本トイレ協会
発行者:富澤凡子
発行所:柏書房
東京都文京区本郷2-15-13(〒113-0033)
電話:03-3830-1891(営業)
03-3830-1894(編集)

〈『トイレ学大事典』編集委員会〉
編集委員長:高橋志保彦
編集委員
査読調整委員:鎌田元康/川内美彦/森田英樹/山本耕平
委員:赤堀時夫/木内雄二/倉田丈司/小林純子/坂本菜子/寅太郎/松田芳夫
事務局:佐竹明雄

〈刊行にあたって〉
人は生きるために、食べて、出す。
人が一生のうちに20万回利用し、延べ11が月を過ごすともいわれるトイレ。現代社会に生きる私たちは、もはやトイレ無しでは生きられず、充実したトイレ体験の構築こそが、豊かな人生へと繋がるのである。
近年、日本ではトイレ機器類の進化がめざましく、多機能トイレの開発・普及で世界をリードしてきた。それは、日本人が伝統的に環境衛生に強い関心を持ち、快適で理想的な暮らしを日々追及してきたことの賜物であろう。
一方で、世界人口の3分の1にあたる二十五億もの人々がいまだまともなトイレにアクセスできない事実がある。人道上や環境汚染の観点から、対策を考えなければならないだろう。
また、私たちはこれまで何度も、災害が起きればトイレ環境が一変することも経験してきたが、その対策はいまだ万全ではなく、早急に対策を講じなければならないのはいうまでもない。
かつておおっぴらに口にすることを憚られた排泄行為やトイレは、今やタブーではなく、慎みをもって万人が関心を持ち、究明していくべき対策となった。トイレは民族的・地域的特徴を持つ文化である。それゆえ、トイレに関する学問は、人間に関する奥深い学問でもあるのだ。
本書は、トイレや排泄に関わるあらゆる事象を深く知り、よりよい生活環境の実現していく上でのレファレンスブックワークを目指して編纂された。日本トイレ協会の持つ人材ネットワークをフル活用し、生存に欠かせぬ身近なトイレ空間を、歴史学や医学、生理学、建築学、土木工学、法学、経済学、心理学、哲学、教育学、社会学、民俗学、宗教、地域計画、都市計画、生産、デザイン、交通、観光、教育、メンテナンスなど多角的な視座から徹底解剖した、初のトイレ総合事典である。
執筆にあたっては、学術的に最先端の研究成果をもとにしながらも、中学生や高校生も理解できるようになるべく平易な表現を心掛け、資料や写真など図版資料を多数収録した。本書をきっかけに、トイレへの理解が少しでも深まることを期待したい。

高橋志保彦
日本トイレ協会会長
トイレ学大事典編集委員長

〈目次〉

■第Ⅰ部 トイレ事始め

第一章トイレってなに? (高橋志保彦)

第二章 トイレの歴史
トイレの考古学―発掘現場で探るトイレ事情(清水久男)
日本のトイレの歴史(森田英樹)
西洋のトイレの歴史(森田英樹)
日本における水洗トイレの誕生と発展(山谷幹夫)
日本の水洗トイレの特性と普及の要因(倉田丈司)
公衆トイレの歴史(高橋志保彦)
商業施設のトイレの歴史(小林純子)
装飾された便器(中斎紀夫)
◇コラム1 INAXライブミュージアムの収蔵品(中斎紀夫)
日本トイレ協会のあゆみ(山本耕平)
◇コラム2 トイレットペーパーのはなし(関野勉)

■第Ⅱ部 排泄を科学する

第三章 排泄の医学・生理学
「生きるということ」と「成長と衰え」に関わる摂取と排泄(田中正敏)
食べ物はどのような経路で排出されるのか?(田中正敏)
小便・大便はどのようにしてつくられるか(田中正敏)
循環器と消火器の働きと病気(田中正敏)
病気とトイレの環境(田中正敏)
排泄と生理、排尿障害と疾患・加齢(鈴木康之)
肛門の働き(小杉光世)
便秘症候群(小杉光世)

第四章 排泄の理学

第五章 排泄に関わる施設と経済
水洗で流す量と料金(木内雄二)
上下水道のインフラストラクチャー/排泄物の処理方法(地田修一)
江戸時代に屎尿リサイクル(森田英樹)
浄化槽(岡田誠之)
自己処理型トイレ(中台光雄)
仮設トイレ(室伏健)
イベントと仮設トイレ(寅太郎)

第六章 排泄物の化学とトイレメンテナンス
トイレの臭気と発生源(岡田誠之)
尿の化学変化・尿石・ソフトスケール(春山智紀)
和式便器と洋式便器の人間工学的検討(上野義雪)
公衆トイレのメンテナンス(山戸里志)

■第Ⅲ部 文化としてのトイレ

第七章 トイレと民俗
日本におけるトイレの呼び方(森田英樹)
用を足す姿勢――腰掛け式、しゃがみ式など(土田滋)
腰掛け人間としゃがみ人間(平田純一)
始末(拭く)(高橋志保彦)

第八章 トイレと哲学・宗教
神道とトイレ――トイレの神様ってどんな神様?(高梨富弥)
仏教修行におけるトイレの存在意義(丹下覚元)
ユダヤ教。キリスト教、イスラム教とトイレ(越後屋朗)

第九章 トイレと心理学(和氣洋美)

第十章 トイレと法律
トイレと犯罪(富田俊彦)
トイレの法律(山本耕平)
衛生器具の基準・規準・規格(鎌田元康)

第Ⅳ部 トイレと国土とまちづくり

第十一章 トイレと環境
トイレと環境問題(山本耕平)
水洗トイレと水資源(松田芳夫)
トイレ環境の改善による自然公園の環境保全(奥原仁作)
屎尿の処理とリサイクル(山本耕平)

第十二章 トイレと都市計画/地域計画
トイレとまちづくり(川内美彦)
都市とトイレ(高橋志保彦)
公共トイレと有料トイレ(小林純子)
コンビニエンスストアとトイレ(小松義典)
都市公園とトイレ(夏目賢一)
国民公園とトイレ(岡本栄治)
河川敷とトイレ(三橋さゆり)

第十三章 交通施設とトイレ
列車のトイレの歴史(三品勝暉)
真空トイレ――真空式処理システム(神津啓時)
駅のトイレ(仲川ゆり)
道の駅とトイレ(伊藤正秀)
高速道路のトイレ(赤坂俊幸)

第十四章 観光・レクリエーションとトイレ
観光レクリエーションとトイレ(金子健二)
観光地のトイレ問題(加藤克志)
◇コラム3 山のトイレ(米川岳樹)

第十五章 災害とトイレ
阪神・淡路大震災とトイレ(山本耕平)
東日本大震災とトイレ(秦好子)
大規模災害へのトイレの備え(秦好子)
帰宅困難者とトイレ難民(村上正浩)
◇コラム4 東日本大震災から――避難所となった中学校の体験(菅原文彦)

■第Ⅴ部 人に優しいデザインを求めて

第十六章 トイレと建築学
トイレの人間工学(上野義雪)
バリアフリーデザインとトイレ(小滝一正)
建築におけるトイレ空間とその設計(小林純子)
業務ビルとトイレ(片山一憲)
学校建築とトイレ(長澤悟)
商業施設のトイレ(小林純子)
歴史的に見た病院のトイレ空間(長澤泰)
適正な器具数(鎌田元康)
NEXCO中日本のレストエリアにおける適正器具数研究(山本浩司)
トイレの建築環境・設備工学(鎌田元康)
トイレのサイン/ピクトグラム(道吉剛)

第十七章 トイレのユニバーサルデザイン
バリアフリー法とトイレ(川内美彦)
多機能トイレの歴史と特徴(川内美彦)
多機能トイレと情報(金子健二)

第十八章 便器と工学とプロダクトデザイン
排泄動作と便器の寸法・形状(上野義雪)
制作プロセス(木内雄二)
流通と販売、設置工事(木内雄二)

第十九章 教育とトイレ
子供の成長とトイレ(村上八千世)
保育所のトイレ事情(村上八千世)
恥ずかしさと排泄行動(村上八千世)
排泄教育とトイレ(村上八千世)
教育の中のトイレ(村上八千世)

グッドトイレ選奨(小林純子、浅井佐知子)
大学生のトイレに関するイメージ調査(和氣洋美、高橋志保彦)

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