第36回「うんと知りたいトイレの話」(2024年6月16日)「東京都 有明水再生センター 見学会」

図5.センター入口でグループ記念写真

1.有明水再生センター概要

今回は下水処理に関して、従来の方法では取り除き難い窒素やリンを、嫌気無酸素好気法(A2O法)という高度処理を用いて除去する有明水再生センターの見学会を開催しました。場所は東京都江東区有明にあり、東京臨海副都心交通線(ゆりかもめ)のレインボーブリッジの近くにあります。有明テニスの森のテニスコートの地下に、沈殿池や反応層や生物濾過池などが隠されています。全体の敷地面積は46。6Km2(平方メートル)なので、ほぼ東京ドームと同じ広さです。センター内には、虹の下水道館という展示施設もあり、家族連れで下水というシステムについての理解を深めることが出来ます。
処理した水は東京湾に放流します。その一部をオゾン処理や繊維濾過処理によってさらに綺麗にして、付近の臨海副都市にあるビルのトイレ用水や、ゆりかもめの車体洗浄用水として再利用しています。
図1.水再生センターでの下水道処理のプロセス

2.A2O法(嫌気無酸素好気法)

水再生センターでの下水道の処理プロセスを図1に示します。このセンターではこの図の中の反応槽にA2O法(嫌気無酸素好気法)を適用して窒素やリンを除去しています。この処理方法は下水処理における高度処理の一つで、窒素とリンを効率的に除去するために用いられる生物学的処理法です。この方法は、嫌気槽(Anaerobic)、無酸素槽(Anoxic)、好気槽(Oxic)の3つの槽を組み合わせ、それぞれの環境で異なる微生物の働きを利用して、排水中の栄養塩を除去します。反応槽の拡大した部分を図2に示します。

図2.反応槽部分の拡大図
一部参照:https://i0.wp.com/kenkidryer.jp

3.ツアー行程

行程としては、最初にセンター内で約30分の講義を受け、その後は二手に分かれて、高低差のある沈殿池や反応層や生物ろ過池を歩いて見て廻るグループと、車椅子利用者と高齢者のグループは虹の下水道館を見学しました。全行程の所要時間は約2時間の見学会で、下水道のシステムの理解を深めました。(図3~6)
※ なお水再生センターは、土日祝日、年末年始を除いて予約すれば無料で見学が出来ます。
水再生センター見学受付窓口 Tel:03-3241-0944 受付時間 9時~17時(平日のみ)